全身麻酔で手術を受ける患者さんへ 〜手術当日の過ごし方・入室まで編〜

どうも、ナースあさみ(@asami300765)です。

久々になってしまった、術前シリーズ。
またゆるゆると再開していきます。

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今回は第5弾ということで、手術当日の過ごし方について解説していきます。
具体的には、手術の日の朝から手術室に入室するまでの過ごし方です。

注意
手術中におけるご家族(キーパーソン)の過ごし方については、別途記事を更新予定です。そちらを参考になさってください。

 

手術当日は、水を飲めない

多くの手術の場合、手術当日は飲食不可。
水を飲むのも禁止です。

なぜなら、多くの手術が寝たきりの状態で行います。

飲食をしてしまうと、逆流した胃の中のものが気管から肺に入り込み、肺炎のリスクをあげてしまいます。
だから、飲食不可なんです。

手術では、全身管理のために挿管といって気管に太いチューブをいれます。
ただでさえ、これも肺炎のリスクをあげるものですが、人工呼吸器管理なしに手術はできません。

そのため、手術そのものにあまり影響せず、患者さんの負担が比較的少ない飲食不可(臨床では絶飲食と言います)という方法をとるんです。

あ!

うがいや歯磨きは直前までOKです。
術後、すぐには歯磨きできないこともあるので、むしろやっておくほうが良いかもしれません。

点滴が始まる

上にも書いた通り、手術の日はご飯も食べれず水も飲めません。
このままでは、干からびてしまいます(!)

そのため、手術当日の朝から点滴を開始することがほとんどです。
この点滴は、抗生剤や栄養というよりも水分補給のためというニュアンスが強め。

患者さんからは

患者さん

この点滴には何が入っているんですか?

と聞かれることが多いんですが

血管にいれるポカリみたいなものですね〜

ナースあさみ

というと、みなさん納得してくれます。
実際、成分表を見ると電解質とブドウ糖がほとんどです。

ポカリだけで大丈夫なの?という声も聞こえてきそうですが、具合の悪い時はポカリしかムリ…という時もあるはずなので、大丈夫です。

手術室へは歩いていくよ

テレビでは、ストレッチャー(動かせるスリムなベッドみたいなもの)に乗って手術室に向かうシーンが多いんですが、歩いていける人は歩いていきます。

これは、手術の大きさや病気の進行度に関係ありません。
心臓の手術の人も、腎臓を移植する人も、歩いていける人は歩いて手術室へ向かいます。

もちろん、もともとADL(日常生活動作)や障害があって立ち上がりに介助が必要、歩けないなどの場合は車椅子、ストレッチャーで入室します。

手術室で確認すること一覧

手術室ではたくさんの確認を行います。
なぜなら、間違いがあってはいけないから。

時に、横浜市立大で起こった患者の取り違え事故(肺の手術患者と心臓の手術患者を間違えて手術)以来、患者さんへの確認が徹底されるようになっています。

主な確認事項は

  • 氏名(自らフルネームを名乗ってもらいます)
  • 手術の名前(人工股関節置換術など)
  • 目や乳棒など左右があるものは左右の確認
  • アレルギーの有無
  • 使用する抗生剤の確認
  • 同意書(手術、麻酔、輸血など)があるか

時間は5分くらいですが、患者さんにとっては永遠に感じられるようです…

手術室の台に上るまで

ここも歩いていきます。

手術台へも、自らのぼっていただきます。
あとは、看護師や医師の指示にしたがって、処置を行います。

全身麻酔で硬膜外麻酔を併用する場合には、意識があるうちに管を挿入します。
具体的には、横向きの状態で背中を丸めた状態を作り、皮下麻酔をしたあと、ググッと本物の管を刺します。

歯医者さんで処置をする時に、最初にぷすぷすと麻酔の注射をされますよね?
皮下麻酔のイメージはあんな感じです。

だから、そのあとにググッと処置をされても、そんなに痛みは感じないはずです…

 

その後は仰向けに戻ります。
点滴からの薬剤と人工呼吸器で使うマスクによる吸入薬によって、3秒以内に麻酔がかかるはずです。

患者さんへは

3秒数えまーす!

麻酔科医

と医師が言うはずですが、3秒目を言い終わらないうちに夢の中へと誘われます。
麻酔薬がいかにすごいかを実感できるはずです。

手術中、誰か1人は必ず病院に残るように

脅すようで申し訳ないですが、手術のあいだ、必ず誰か1人は近くで待機するようお願いされるはずです。

なぜなら、手術中に何が起きるかわからないから。
そのため、何かあった時の代理意志決定者が必要なんです。

麻酔がかかっている患者さんを、一度叩き起こすなんてことができません。
術前の説明時に、あるとあらゆる可能性を説明されはしますが

大量出血を起こしたり
思っていたような術式ができなかったり
その他、思いも掛けないトラブルが起こったりするのが手術のこわいところ。

実際に、手術中に大量出血をきたし、予定通りの手術ができなかった患者さんをみたこともあります。
それくらい、手術は命がけのものなんです。

これは、血縁者でなくても構いませんが、非常時に命をまかせられる相手と考えると、法的にも血縁者のほうが望ましいです。

 

手術によっては10時間、もしくはそれ以上の時間、拘束されることもありますが、こういう背景があることを知っていただき、協力してもらえると嬉しいです。

ではまた。

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