全身麻酔で手術を受ける患者さんへ 〜手術前日の過ごし方編〜

どうも、ナースあさみ(@asami300765)です。

 

前回に引き続き、今回は術前シリーズ第4弾!

全身麻酔で手術を受ける患者さんへ 〜デブは痩せよう編〜
全身麻酔で手術を受ける患者さんへ 〜タバコはやめて編〜
全身麻酔で手術を受ける患者さんへ 〜外せるものは外す編〜

今回は、手術の前の日の過ごし方について解説していきます。

患者さん

なんで、当日じゃなくて前日なの?

それは、全身麻酔の手術を受ける方の多くが

前日入院することが多いためです。

ただでさえ、不安なことが多い中、入院に必要なものを忘れてしまったり、直前まで準備や処置でバタバタすることが多いので、この記事でどんなことをするのか知ってもらえると嬉しいです。

入院に必要なものに関してはこちらも参考にしてみてくださいね。

看護師が考える、入院に必要なものリスト完全版はこれだ!

では!

ご飯を食べられるのは、前日の夜まで

基本的に全身麻酔で手術する場合、当日の食事はありません。

※整形外科領域での抜釘(ばってい)手術や総合外科などの鼠径ヘルニア手術では、手術開始時間・術中時間によって夜ご飯が出る病院もあります。

食事をしてしまうと、食物の消化にエネルギーをとられてしまい、生命維持に必要なカロリーを維持しにくくなってしまうからなんです。

いくら麻酔をしているからとは言え、身体にとっては大怪我を負っているのと同じ。
そのため、できるだけ不必要なカロリー消費は抑えたいんです。

そこで出てくる、ひとつの疑問。

患者さん

食事しなくても大丈夫なの?
大丈夫!!

ナースあさみ

手術当日の朝から、点滴を始めます。
これが、ごはんの代わりになるんです。
(あくまでも、たとえです)

点滴からのカロリー摂取には限界がありますが、水分や電解質(ミネラル・ビタミン的なもの)は十分に補うことができます。

だから、大丈夫なんです。

浣腸をすることが、ほとんど

多くの医療機関で、手術の前日もしくは当日の朝に浣腸をかけます。
(これは病気や手術の内容、手術開始時間によって異なります)

嫌だ、恥ずかしいと思う人もいると思いますが、これは必須事項…!

私たち医療従事者は良い意味で、なんの感情も湧かないからそこは安心して欲しいです。


(浣腸のイラストがあるいらすとや、マジで尊い)

では、なぜ浣腸をかけなくてはいけないのか、その理由を簡単に説明しますね。

麻酔をかけると全身の筋肉がゆるみます。
難しい言葉で筋弛緩(きんしかん)といいます。

ということは、普段トイレを我慢している筋肉も、当然ゆるみます。

いろいろ出ちゃうと困りますよね?って話だけならいいんですが、そうではありません。

手術ってものすごく清潔に操作しなければならないんです。
だって、血管とか筋肉を切りますからね。

そこを汚物で汚すわけにはいかない、絶対に!

なので、出し切れるものは出し切っておいて欲しい。
というわけで、浣腸をかけて出し切ってもらうという訳なんです。

 

シャワーに入ったほうがいい

手術のあとは傷跡ができるので、だいたい1週間くらいシャワーに入れません。

そして、感染管理の観点から、今の医療機関には湯船はありません。
そのため、術前に必ずシャワーに入っておくことをオススメします。

さきほど、シャワーに入れないと言いましたが、身体を拭いたりシャンプーしたりするのは可能です。
もちろん、いろんな管類が挿入される場合もあるため、看護師がお手伝いします。

 

おへそをキレイにします

患者さん

へそ…?

って思っている人は、まずこれを読んでください。

まだ、へその掃除してないの?

普段、あまり気にすることなんてないと思いますが
感染管理の視点でいうと、おへその中ってめちゃくちゃ汚いんです。


おへその汚れ=皮膚の垢と菌と汚れですからね…

しかも、お腹を切る系の手術の場合はへその近くに傷跡ができることもあります。
へその汚れは、傷跡にとっていいものではないのでキレイにする!というワケなんです。

やり方は、とてもシンプル。
綿棒・温タオル・オイルを使ってぐりぐりとキレイにしていきます。

たまに、へそのケアをしなさすぎて(ほとんどの高齢者がそうですが)化石化している人がいるので、そういう人は医療用のピンセットを使って処理していきます。

もろもろの承諾書が揃っているか、確認

説明をし、同意を得たかどうかの証明が必要な時代。
これは医療も一緒です。

特に、横浜市大で起こった患者の取り違え事故以来、承諾書や患者確認に関してはかなり厳しくなっています。

まず、手術(全身麻酔でやるもの)に際して、絶対に必要となる書類は以下の3つ

  • 手術承諾書
  • 麻酔承諾書
  • 輸血承諾書

簡単に、それぞれについて説明しますね。

手術承諾書

こういう病気・病状のため、こういう手術が必要。
その方法はこんな感じ。
リスクや合併症はこうだよ。

ということが書いてあります。

多くの先生が、書類とは別に手書きのメモでイラストや図を書きながら説明してくれるので、安心してください。
ここは、担当医・指導医が説明してくれることが多いです。

麻酔承諾書

全身麻酔のしくみや方法、リスクや合併症について記載されています。

麻酔外来がある病院では、麻酔科医から。
説明の補足は手術室看護師が行うことが多い印象です。

麻酔外来がない病院や、小規模の病院では手術承諾書と一緒になっているところもあります。

輸血承諾書

これは、手術中の出血に備えて同意を得ることが多いです。
手術に限らず宗教や慣習により輸血禁忌の人もいるので、輸血が必要になった場合には必ず承諾を得るもののひとつです。

他にもよく見かけるのは、以下の書類です。

  • 特定生物由来製品の使用承諾(人の血液や組織から作られた製品、グロブリンやアルブミンなど)
  • 抗生剤の使用承諾(まれにショックを起こすことがあるため)
  • 医師やその他医療職の研究協力依頼
  • HIV抗体検査における同意(医療者への二次感染を防ぐため)

歯がグラグラする人は、注意!

全身麻酔の際は、挿管といって気管の中に呼吸管理用の管を挿入します。
この時、歯がグラグラしていると抜けてしまうことがあるんです。

抜けてしまうのも、もちろんアレですが、抜けた歯が胃や気管の中に入ってしまうと、事件です。
手術が中断してしまいます。

こうならないために、術前に口腔外科(歯科)を受診し、マウスピースのようなものを作成する場合があります。

挿管時の衝撃を最小限にするためです。

これは、麻酔が覚めて話せるようになるまで、つけっぱなしです。
終わったら、看護師が外すのを手伝ってくれるはずです。

おわり

以上、手術の前日の過ごし方について、看護師視点で説明してみました。

詳細は、入院している医療機関のスタッフまでお尋ねください。

次回は、手術当日(朝〜手術室に入るまで)を説明する予定です。

 

ではまた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です