できるだけ安全に採血を終えるために伝えたい11のこと

どうも、ナースあさみ(@asami300765)です。

看護師になって9年目。

医療や処置に関して
SNS・プライベート問わず
いろいろと質問をうけることが多いです。

中でも、もっとも多く聞かれる質問が

 

採血

なんです。

例えば……

  • 採血し終わったあとの絆創膏っていつはがせばいいの?
  • 血管が見えないって言われるけど、私のせい?
  • 点滴と採血って、刺す針に違いはあるの?
  • できるだけ痛くないようにするには、どうしたらいいの?

もう私からしたら何度も答えてきた質問なんですが、患者さんやご家族からしたら不安で不安で仕方のないことなんですよね。

この記事のリサーチのために以前Twitterで聞いてみたところ、いろいろと発見がありました。

今回は患者さんからみた採血の流れに関して、徹底にお答えしてみます。

すべてを網羅できているわけではないので、不安なことがあったらお近くの医療者にお尋ねください。

そして、原則
各医療機関の指示にしたがってください。

 

これを読んだあなたが安全に、スムーズに、できるだけ痛くなく、採血を受けれることを願って。

そして!

看護師の皆さんは1発で採血が取れることを心の底から応援しています…!!

 

注意
かなり長い記事になってしまったので、気になっていることが明確な人は以下の目次から飛んでください。

 

採血の前日、お酒って飲んでもいいの?

控えていただきたい、というのが本音です。

が、大人の皆さんはいろんな事情があるので採血の12時間前までは飲んでもOK!、ということに私はしています。
(持病や検査項目によってはNGなこともあるので各自確認を!)

そもそもなんでお酒を飲んではいけない?というと肝機能の項目を正確に測れなくなるなるからなんですね。

肝機能はそのまま肝臓の機能をあらわすもの。

採血の項目でいうGOP、GTPとかその辺りです。

この数値が高いと肝硬変やアルコール性の肝障害を疑われたりします。

例えば、朝までガンガンお酒を飲んでから採血した場合アルコールを分解しようと肝臓が頑張った結果、この肝機能を見る項目(GOP、GTP)が平常時に比べて爆上がりしています。

なので、控えてほしいんです。

数値が高い場合、再検査や要精密検査になったりするのでここは守った方がいいと思います。

 

採血前にご飯を食べてはいけないって本当?

採血の際、必ず聞かれるのが

ナース

最後にお食事をとったのはいつですか?

という質問。

これは、多くの採血で必ず項目に入ってくる血糖値が関係しています。

ご飯を食べると血糖値があがります。
そのピークはだいたい食後2〜3時間後。

私たち医療者が知りたいのは、お腹が空いてる状態の血糖値(空腹時血糖)。

そのため、食事をされてきてしまうと血糖値が爆上がりしているので、正確な値がわからないんですね。

血糖値は糖尿病のスクリーニングにおいて、とても重要な要素となります。

ここで引っかかると、1日に何回も採血する検査や血糖値を周期的に測り続ける検査を受ける場合もあります。

正確な空腹時血糖をはかるためにも、採血の際はご飯を食べないできてください。

無糖のガムやコーヒーでも血糖値が上昇してしまうものもあるので、どうしても飲むなら水やお茶にとどめて欲しいです。

 

どっちの腕で採血してもらえばいいの?

これは血管の出やすい方!といいたいところですが

利き腕じゃないほうがオススメです。

採血した後に、その部位へ負荷をかけたくないからです。

例えば、買い物してその荷物を採血した方の肘にひっかける、などは控えていただきたいんです。

さすがに、再出血することは滅多にありませんが、針を刺したあとの皮膚を刺激することになり内出血みたいになることがあります。

内出血も1週間くらいすれば治りますがそれでも、ちょっとなんかあれですよね…

いずれにせよ、採血したその日のうちは刺されたほうの腕を酷使しないことがオススメです。

 

採血の手順を簡単に教えてくれない?

もちろんです!

まず、使う物品はこんな感じ。

皆さんが覚える必要はまったくありませんが、この器具ってこんな名前ついてるんだ…!と思っていただけると。

つづいて手順はこちら

  1. 駆血帯(ゴムみたいなやつ)で二の腕を縛られる
  2. 手のひら、親指を中にしてグーで握って力を入れるよう言われる
  3. 肘の真ん中あたりを消毒される
  4. 針を刺される
  5. 血を抜かれる(検査項目や病気によってスピッツの本数が変わる)
  6. 駆血帯を外される
  7. 手のひらの力を抜く
  8. 針抜かれる
  9. 絆創膏貼られて
  10. おわり

ここで採血の手順に関して、よく聞かれる項目をピックし説明していきます。

Q:なぜ肘(ひじ)のあたりを刺すの?

いい感じの血管が通っていて、安全に速やかに取れるからです。

手の甲や手首の周りにも、見た目でわかりやすい血管がありますが、刺すと痛い!

この辺りは神経が近くを通っていたり、痛覚(痛みを感じる感覚)のポイントが多い=痛みを感じやすいため、肘(ひじ)を第一選択にすることが多いんです。

たまに、肘の血管が見えない人や肘に太めの血管が走っていない人は、手の甲や手首付近を刺すこともありますし

高齢の患者さんの中には、もう血管なんてないんじゃない?って人もいます。
(そんな人はいません。私たちが探せないだけです…)

そういう人は、たとえ痛いとわかっていても、足の甲とか足首とか取れそうなところから刺す場合もあります。

だって、採血が取れないと

・今の身体の状態がわからない
・治療の効果がわからない
・治療や薬の副作用が出てるかわからない

治療の評価も出来なければ、現時点での身体の状態もわからない。
前へ進めなくなってしまうんです。

それだと、治療の意味がないですよね。
なので、採血に協力してもらえると嬉しいです(切実)

Q:なんで手のひらグーにして握るの?縛るだけでよくない??

良くないです!

グーにして握ってもらうことで筋肉に力が入ります。

そうすると、おのずと周りにいる静脈たちも浮き上がってくるので採血する血管が見えやすくなるんです!(わ〜い)

筋トレしている男性はグーを握ってもらわなくても、駆血帯を縛る前から血管が見えているので平気なんですが

色白で少しぽっちゃり、運動の習慣がなくて低血圧なアラサーの方なんかは、グーを握ってもらわないとちょっと困っちゃうな…って感じです。

もちろん、リウマチやその他の病気・障害などで腕に力を入れにくい人は、無理しなくても大丈夫です。

 

採血のたびに貧血になってしまい困っています…

うん。
まずは、それ、本当に貧血なの?という話からさせてください。

貧血ではなく、低血圧かも!

まず、最初にいっておきたいのが、一般の人が「貧血」だと思っている現象は、貧血じゃなくて低血圧です。

採血で貧血になってたら、献血が成り立たなくなってしまいますから……!

では、なぜ低血圧になってしまうのかというと

  • 針を刺す時の痛み
  • 採血が怖いという不安
  • 採血で血液を取られると血液量が減るという思い込み
  • 過度な緊張による身体のこわばり

などの理由で

→神経の反射が起こり

→一気に血圧が下がり

→めまいや吐き気、意識を失う

などの症状を引き起こしてしまうんです。

そのため、採血で具合が悪くなったことがある人は、ベッドで横になって採血してもらってください。

ナース

今まで採血で気持ち悪くなったり、倒れたことはありませんか?

と聞かれるはずなので

・大人だから
・恥ずかしいから
・今回は大丈夫そう

と思わずに、素直にベッドで横になってください。

大の大人が倒れると重たいですし、か弱いナースたちが運ぶのも大変ですし、頭なんて打ったら採血どころではないですし、
検診の場合はその後の採血スケジュールもおします。

ご協力をお願いします!

実は思ったよりも、血液は取られていません…!

ここでちょっとおさらいです。
採血のときに使う筒状の物体をスピッツと言いました。

多くの人が採血の量=スピッツの量と本数と思っていますが、あれ、実際量より多く見えるようになっています。

スピッツの多くが2重構造や特殊な素材でできています。

光の屈折率がガラスとプラスチックでは違うので、実際の血液量よりも多くみえるんですね。

実際に採血している量は3本〜5本で10cc〜20ccくらい。
(採血項目によって異なります)

私が今まで経験した中でも、普通の採血でのMAX量は30ccくらいです。

意識不明の重体という人でも取って40cc前後なので、量としてはおたま1杯いかないくらい。

通常採血時、いつも患者さんには大さじ1杯くらい(約15cc)取るからね、とお伝えしています。

こう聞くと、そうでもないかな?と思えませんか。

 

アルコールでかぶれるんだけど、どうしたらいいの?

アルコール以外にも、他の消毒薬があります。

一般的に、エタノール(アルコールの一種)で採血する部分を消毒するんですが

アルコールアレルギーの方もいるので、代わりにヘキシジンという消毒薬を使うことがあります。

他にも、消毒薬はたくさんあるので、かぶれる・かゆい・肌にしみるなどあったら医療関係者に相談してください。

 

出来るだけ痛くないように採血して欲しいんだけど!

はい、お待たせいたしました。

皆さんの願いはこれですよね?

私たちだって、出来るだけ痛くなく、1発で取ってあげたいと心の底から思っています…!

さすがに、皮膚に針を刺すのでまったく痛くない!っていうのは難しいのですが

いろいろと方法があるのでひとつずつ紹介していきますね。

採血されるであろう部分をつねっておく

めちゃくちゃ原始的な方法。

あんまりやり過ぎて赤くなってしまうのは本末転倒です。

正直あんまり意味がないんですが、結構やってる人が多いですし、自分で痛みのプレパレーションをしたという体験で満たされる人もいるので、方法のひとつとして残しておきます…

刺されて痛くても、動かさないで!

たまに、刺されると痛いため腕を引っ込めようとする人がいるんですが、危険なのでやめてください。

静脈に刺した部分から針がずれて、神経や動脈を刺してしまう危険があります。
こっちのほうが痛いです!

神経を刺してしまった場合、部位にもよりますが一時的にしびれたりすることもあります。

肘の弱いところをぶつけると、腕から小指にかけてじーんとしびれてしまうこと、ありますよね?

あれと同じ原理のことが起こります。

 

そして、動脈を刺してしまうと血を止めるのに、とても時間がかかります。

脅すつもりではないんですが、動脈からの出血は天井まで吹き上げるほどの圧があります。

頸動脈なんか切ってしまったら、もう金田一少年もびっくりの現場です……

痛くて怖い気持ちもわかりますが、腕を動かしてしまうことの方がリスクです。

動かさずに、じっとしていましょう。

勢いよく刺してもらう

じわじわ刺されるよりも、一気に刺してもらった方が痛くありません。

紙で指を切ったときなんかそう。

スパッといってもらった方がその瞬間の痛みは少ないんです。

なので

あなた

ブスッと刺してください!

って言ってみて欲しいです。

そうすると、刺す方も遠慮なく(!)刺せるはずなので。

刺される部分を冷やしておく

保冷剤があると最高なんですが、冷たくすることで痛覚(痛みを感じる感覚)を鈍らせる狙いがあります。

し か し

同時に、血管も収縮してしまい、刺す側としては見えづらくなるので、採血そのものの失敗リスクも上がります…

この案はハイリスクハイリターンだと思ってください。

本当に針や痛みに弱い人向け!貼るタイプの鎮痛薬があります

実は、こういう貼るタイプの鎮痛剤があります。

これを使うことで、採血時の針の痛みはほとんど取れると言われています。

ただし!

これは本来、血液透析の患者さんが使うためにあるものです。

日頃行う採血とは比べものにならないほど、太い針をほぼ日で刺される透析患者さん。

痛みを軽減しないとやってられない!ということで、こういうテープが処方されることがあるんです。

なので、一般の方が欲しくて処方されるとしたら限りなく自費診療(全額自己負担)に近いと思われます。

基本的に、処置や薬は診断あってのもの。

欲しいから、飲みたいからという理由だけで処方出来ないようになっています。

なので、この案かなりグレーですしお金もかかるかもしれませんが、採血が怖くて死んでしまいそうな人は試してみる価値アリです。

 

余談ですが

外科医

切るのは得意だけど
刺されるのも切られるのも俺はムリなんだ!!

採血が苦手過ぎて、脂汗を浮かべながらこれを貼って待機している外科医がいました。

コレがないと、採血が嫌いすぎて失神してしまうんですって。

医師にもこういう人がいるので一般の方はもっとだろうな、と思います。

 

採血時、血管が細い&見えない&取れないと言われるんだけど…

はい、大変申し訳ございません。
全看護師を代表して謝罪させてください…!

Twitterでリサーチした時も
同じような声をいただきました。

採血を失敗するのは、私たち医療者が下手くそなせいなんですが、それ以外の要素もあるので簡単に説明しておきます。

血管が細いのは体質や加齢のせい、あなたのせいじゃない

たまに、自分を責める人がいるんですがその必要はまったくありません。

細くても血管がしっかりしている人もいれば、体格ががっちりしているのに血管が細い人もいます。

おそらく、厳密にいえば、筋肉のつき方や血管の走り方など遺伝が関係してくるので、もうどうしようもないです。

もし、方法があるとすれば筋肉をつけること、筋トレですね。

筋トレすると、あいだに通る静脈も浮き上らざるを得ないので見えやすくなります。

ただ、これも採血を一発で確定させる要素にはならないので、あくまでも補足です。

 

そのうえで。

私が血管を見やすく&探しやすくするために、患者さんにお願いしていること、やっていることを書いておきます。

その1:あたためる

さきの痛みをとるための方法と相反しますが、血管を見やすくするためには血管を広げることがポイント。

ということで温タオルやあんかで腕を温めておきます。

30分くらいするとうっすら見えてくることがあります。

血行促進!!

その2:心臓よりも針を刺す場所を下げる

これはベッドに横になってる人限定でしょ?と思われるかもしれませんが、健診でも使える方法です。

駆血されたあとに、その腕を心臓よりも下に下げて、採血する静脈血を強制的に増やします。

ちょっと手がジンジンするかもしれませんがいつもよりも血管がくっきり浮かび上がってるはずです。

その3:叩かれる

これは、正直あんまりオススメできないんですが(学会論文では否定的な見解が多いため)、40代以降のナースは結構やってる傾向があります。

私もどうしても血管が見えない時は、叩くこともあります…
もちろん、患者さんの許可を得てからですが。

叩くことで、皮膚と血管が刺激をうけて腫れ上がることを利用しています。

ただ、患者さんにとってみたら痛いですし、最近の論文では否定的な見解も多いので、くれぐれも新人ナースは真似しないように!

その4:手のひらをグーパーグーパーする

これも賛否両論ありますが、血管が見えやすくなる一つの方法です。

ただ、駆血してから手のひらをグーパーグーパーすると、筋肉が刺激をうけてしまいこれから調べるNa(ナトリウム)やK(カリウム)の数値に影響を及ぼすと言われています。

脱水や心臓・腎臓の病気のためNa・Kを厳密に調べる場合には、控えるべき手法だと言えます。

 

採血した日って、湯船に使ってもいいの?運動は?お酒は?

原則、制限はありません。

シャワーに入っても、湯船につかっても、運動しても、お酒飲んでもOKです。

入院している患者さんだって朝採血しても、その日の午後にはシャワーを浴びてる人もいるくらいなので…!

ただ、もともと持病があって血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は、過度な活動は避けた方がいいと思います。

採血をした部分から皮下に再出血して、青アザみたいになることがあるので。

 

絆創膏はいつ剥がせばいいの?

いつでも大丈夫です。

むしろ、長く張っていることであとがついてしまったり、かゆくなってしまうこともあるので、止血が確認できたらとっとと剥がしてしまってください。

絆創膏のゴミは、家庭用の燃えるゴミでOKです。

 

採血って、できるのは看護師だけ?

いいえ、違います。

採血できるのは

  • 医師
  • 看護師
  • 臨床検査技師

の国家資格をもつ人が可能です。

医師が採血することもありますが、他にも手術や診察、検査など多忙を極めているので、看護師もしくは臨床検査技師が採血することが多いです。

臨床検査技師ってどういう仕事?という人はこちらを参照してください。

すごくざっくりいうと検査のプロフェッショナルです。

採血も検査の一種。
ということは、臨床検査技師も人体に針を刺すことが可能なんです。

ですが、ここで、看護師や医師と大きく異なる点が1つあります。

私たち看護師は医師の指示のもと点滴や静脈注射、筋肉注射、皮下注射など、患者さんの体内に何かを注入することができますが臨床検査技師はこれが出来ません。

つまり、臨床検査技師は身体から抜き取ることはできても、体内に何かを注入することは出来ないんです。

ちなみに、医師は上記の看護師ができることに加えて

・動脈からの採血
・中心静脈の穿刺(針を刺すこと)、カテーテル留置(点滴よりも長くて長持ちするヤツ)

が可能です。

これらは私たち看護師に出来ないこと、医師だけの独占業務です。

 

まとめ

ここまで書いてきてアレなんですが、私もいまだに採血を失敗しますし、どうしてもダメな時は医師に頼んで動脈から採血してもらうこともあります。

そして、採血を失敗された患者さんに対しては、本当に気の毒だなと思います。

ほんとうは採血されても痛くない
魔法の針!とか
奇跡の消毒薬!!とかご紹介できたらいいんですが

やっぱり痛い……!だって、血管に針を刺してるんだもの。

 

けれど

私たち、ナースの熟練の技術(!)と患者さんからの理解&協力があれば、痛みや不安をできるだけ軽減することができます。

この記事はそんな思いで書きました。

患者さんも医療者もお互いに協力して、速やかに、安全に、出来るだけ痛くなく採血を終えられることを願っています。

 

ではまた。

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